先日他界した祖母のタンス
すでに整理されていたその引き出しに、
やわらかいひらがなで
「おばあちゃんのたからもの」
と書かれた大きな茶封筒が入っていました。
物に執着がなく、
誕生日や敬老の日が近づいても
「何も要らないわ。
顔を見せに来てちょうだいね」
と言った祖母。
そんな祖母の《 たからもの 》とは
いったいどんな物が入っているのでしょう…
ドキドキしながら封を開けると、
そこには…
祖母の姉妹との写真の他、
何十通もの手紙とはがき、
私たち孫が幼い時に描いた絵が入っていました。
その中の多くは、私が幼い頃、
アメリカ滞在中に母が祖母に宛てた手紙。
当時は1$=約300円という時代。
今のようにインターネットや
携帯電話のない時代。
得られる海外情報も少ないため
庶民が海外で生活なんて、今生の別れ?!
ほどに捉えられていた時代です。
母は数日に1度、祖父や祖母宛に
手紙やはがきを送っていました。
「おばあちゃんは何よりも
手紙やはがきが届くのを楽しみにしていたのよ。
だから貴女の成長の様子や日々の事を
できるだけ具体的に書いて送ったの。
想像しやすいようにね」
母の小さな字がぎっしりと書かれている
旅先からの絵はがき。
まだ幼く、十分話す事も書く事もできない
私に代わり母がカタカナで代筆している手紙。
「アオイチャンハネ、
昨日ママトオデカケシタノヨ…」
その後、
文字が書けるようになった孫それぞれから
祖母へ送った手紙の数々。
祖母はその手紙一つ一つに、
受け取った日にちを記入していました。
*************
「お母さんが帰ったあと少し昼寝をして
目覚めたら、葵が『これ』と言ってこの手紙を
渡されました。
『どうしたの』と聞くと、
『おばあちゃんが帰って淋しくなったら
涙が出てきちゃったから手紙を書いたの』
とのこと。明日さっそく出します。
いろいろお世話になりました。」
「おばあちゃんほんをかってくれて、ありがとう。
おばあちゃんこんども、きてね。おじいちゃんと
おじちゃんとおばあちゃんできてね。
こんどもまたあおうね。
そしてこんどきたときには
いっぱいとまっていってね。
おばあちゃんへ あおいより」
*************
手紙は、メールよりもずっと心が伝わり
相手の心に長く寄り添います。
どんなに機械化が進んでも、
人は、人と関わり合うことで
幸せを感じ、生きています。
現代こそ
心が伝わる伝達のマナーを大切に、
あたたかい人生を送りたいものですね
貴女は最近、誰かに手紙を出しましたか


すでに整理されていたその引き出しに、
やわらかいひらがなで
「おばあちゃんのたからもの」
と書かれた大きな茶封筒が入っていました。
物に執着がなく、
誕生日や敬老の日が近づいても
「何も要らないわ。
顔を見せに来てちょうだいね」
と言った祖母。
そんな祖母の《 たからもの 》とは
いったいどんな物が入っているのでしょう…
ドキドキしながら封を開けると、
そこには…
祖母の姉妹との写真の他、
何十通もの手紙とはがき、
私たち孫が幼い時に描いた絵が入っていました。
その中の多くは、私が幼い頃、
アメリカ滞在中に母が祖母に宛てた手紙。
当時は1$=約300円という時代。
今のようにインターネットや
携帯電話のない時代。
得られる海外情報も少ないため
庶民が海外で生活なんて、今生の別れ?!
ほどに捉えられていた時代です。
母は数日に1度、祖父や祖母宛に
手紙やはがきを送っていました。
「おばあちゃんは何よりも
手紙やはがきが届くのを楽しみにしていたのよ。
だから貴女の成長の様子や日々の事を
できるだけ具体的に書いて送ったの。
想像しやすいようにね」
母の小さな字がぎっしりと書かれている
旅先からの絵はがき。
まだ幼く、十分話す事も書く事もできない
私に代わり母がカタカナで代筆している手紙。
「アオイチャンハネ、
昨日ママトオデカケシタノヨ…」
その後、
文字が書けるようになった孫それぞれから
祖母へ送った手紙の数々。
祖母はその手紙一つ一つに、
受け取った日にちを記入していました。
*************
「お母さんが帰ったあと少し昼寝をして
目覚めたら、葵が『これ』と言ってこの手紙を
渡されました。
『どうしたの』と聞くと、
『おばあちゃんが帰って淋しくなったら
涙が出てきちゃったから手紙を書いたの』
とのこと。明日さっそく出します。
いろいろお世話になりました。」
「おばあちゃんほんをかってくれて、ありがとう。
おばあちゃんこんども、きてね。おじいちゃんと
おじちゃんとおばあちゃんできてね。
こんどもまたあおうね。
そしてこんどきたときには
いっぱいとまっていってね。
おばあちゃんへ あおいより」
*************
手紙は、メールよりもずっと心が伝わり
相手の心に長く寄り添います。
どんなに機械化が進んでも、
人は、人と関わり合うことで
幸せを感じ、生きています。
現代こそ
心が伝わる伝達のマナーを大切に、
あたたかい人生を送りたいものですね

貴女は最近、誰かに手紙を出しましたか


- ・エトセトラ(いろいろ)
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プロフィール
Author:尾﨑 葵 Aoi Ozaki
1976年生まれ。
躾として礼儀作法全般を学ぶ。
公的機関での専門家会議運営、都市銀行のカスタマーサービス部門を経て、大学や専門学校にてマナー・プロトコール指導にあたり、小学校では1,400名を超える児童へ箸使いとマナーの基礎を指導。
また、親子や社会人向けマナー講座(PL・少人数制)をホテルレストラン、サロン等にて実施。
様々な職場での出会いから、人の悩みや喜びの多くは「人」によるものであることを痛感。思いやりの心で接することは、相手だけでなく自分自身も癒される効果があることを実感する。
講座では「思いやりの心をその時々で相応しい形で表現する」というマナーの本質を伝えることを大切にしている。
2009年 全日本作法会 元家督 藤野あや子氏に師事
2012年 日本マナー・プロトコール協会にて学ぶ
2017年 マナー講座ボランティア活動 開始
2019年 日本マナー・プロトコール協会認定講師 取得
■専門分野■
テーブルマナー(和洋中)、プロトコール、コミュニケーションマナー、CSマナー
■実績■
・都内私立大学、専門学校マナー・プロトコール検定対策講座
・都内公立小学校 お箸講座
・東京都ガールスカウト「フランス料理テーブルマナー講座」
・目黒区日本食文化講座「たのしいおはし講座」動画出演
・企業CSマナー講師
・社会人、親子向けマナー講座
・紅茶教室(紅茶の入れ方、ティーマナー)
■資格■
・日本マナー・プロトコール協会認定講師
・日本紅茶協会認定ティーインストラター
・整理収納アドバイザー
■趣味■
ランニング、洋裁、ピクニック
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